賃上げ促進税制の税額控除 計算(中小企業・中堅企業・個人事業主)
前年度より給与を増やした会社が受けられる賃上げ促進税制(給与等の支給額が増加した場合の法人税・所得税の税額控除)の要件判定と控除額を計算します。事業年度の開始年月で改正前後を自動で切り替え:令和8年4月1日以後に開始する事業年度(個人事業主は令和9年分)からは教育訓練費の上乗せが廃止、大企業向けの措置が廃止、中堅企業は「継続雇用者の給与 4%以上」に変わっています(令和8年度税制改正)。雇用者給与等支給額の増加割合、雇用安定助成金額を除いた調整後の増加額、控除率(中小 15〜35%・中堅 10〜30%、改正前は最大 45%/35%)、法人税額の20%の上限、中小企業の5年間の繰越控除まで出ます。入力した内容はこのページの中だけで処理し、サーバーには送りません。
この計算は前年度と適用年度の月数が同じ(設立年度・合併・分割・月数の違う年度でない)場合の物です。中小企業者等の判定(大規模法人の出資・適用除外事業者)、国内雇用者の範囲、給与等の集計方法(賃金台帳ベースか損金ベースか)、認定の取得時期は個別の判断が要ります。確定申告書への明細書の添付が無いと適用できません。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。
この道具の作り方と見張り
- 根拠:租税特別措置法、租税特別措置法施行令(e-Gov の条文 2 本)と、中小企業庁の資料 1 本を毎日自動で照合しています。条文や数値が変わると運営者に通知が届き、道具を直してから更新履歴に載せます。
- 計算:このページの中の JavaScript が、上の根拠の欄に書いた手順どおりに計算します。入力した数字はどこにも送られません。
- 確認:公開前に自動テストと実ブラウザの点検を通しています。公開 2026/09/12・最終更新 2026/09/12。
- 運営:株式会社信大。総務・経理・労務・現場の実務で使う計算を、法令や規格の一次資料から作って無料で公開しています。
- ホーム画面:スマホで繰り返し使うなら、ブラウザの共有ボタン→「ホーム画面に追加」で 1 タップで開けます(アプリの入れ物は要りません・入力は送信しません)。
賃上げ促進税制のしくみと、令和8年度改正で変わった所(2026/09/12 確認)
いつの事業年度に、どの版が当たるか
| 事業年度の開始日(個人は年分) | 版 | 大企業 | 中堅企業(特定法人) | 中小企業者等 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年4月1日〜令和8年3月31日(個人:令和7・8年分) | 令和6年度改正 | 継続雇用者 3%以上で10%、4%→15%、5%→20%、7%→25%。教育訓練費(10%増かつ給与の0.05%以上)+5%、プラチナくるみん/プラチナえるぼし +5%。最大 35% | 継続雇用者 3%以上で10%、4%以上で25%。教育訓練費 +5%、プラチナくるみん/えるぼし3段階目以上 +5%。最大 35% | 雇用者給与 1.5%以上で15%、2.5%以上で30%。教育訓練費(5%増かつ0.05%以上)+10%、くるみん/えるぼし2段階目以上 +5%。最大 45% |
| 令和8年4月1日〜令和9年3月31日(個人:令和9年分) | 令和8年度改正(現行) | 廃止 | 継続雇用者 4%以上で10%、5%→15%、6%→25%。プラチナくるみん等 +5%。教育訓練費の上乗せは廃止。最大 30% | 1.5%/2.5% と くるみん等 +5% は同じ。教育訓練費の上乗せは廃止。最大 35%。繰越5年は継続 |
版の切り替えは令和8年法律第12号の附則(法人税は「施行日=令和8年4月1日以後に開始する事業年度分から適用」、所得税は「令和9年分以後から適用」)によります。同じ令和8年でも、3月に始まった事業年度は改正前、4月に始まった事業年度は改正後です。
控除額の出し方
| 手順 | 計算 | 根拠 |
|---|---|---|
| ① 要件の判定 | 中小:雇用者給与等支給額の増加割合=(適用年度−前年度)÷前年度 ≧ 1.5%。中堅・大企業:継続雇用者給与等支給額で判定。前年度が0円なら不適用 | 42条の12の5 1項・2項、施行令27条の12の5 17〜19項 |
| ② 控除対象雇用者給与等支給増加額 | 「雇用者給与等支給額−比較雇用者給与等支給額」と「雇用安定助成金額を除いた差(調整雇用者給与等支給増加額)」の小さい方 | 4項7号 |
| ③ 税額控除限度額 | ② × 控除率(基本+上乗せ)。このページは円未満を切り捨てて計算(条文に端数の定めなし) | 1項・2項 |
| ④ 上限 | 調整前法人税額(個人は調整前事業所得税額)の20%。繰越控除と合わせて20% | 1〜3項 |
| ⑤ 繰越 | 中小企業者等が控除しきれなかった額は翌年度以降5年間繰り越し、給与が前年度より増えた年度に④の残りまで控除(繰越を使う年度は中小でなくても可)。毎年の確定申告書に明細書の添付が要る | 3項・4項10号・7項 |
用語
- 国内雇用者:国内の事業所に勤める使用人で賃金台帳に載っている人。役員・役員の親族・使用人兼務役員は除く(施行令27条の12の5 3・4項)。
- 雇用者給与等支給額:損金に入る国内雇用者への給与等の合計。他の者からの補塡額(雇用安定助成金と役務の対価を除く)は差し引く。奨学金の代理返還も含む(中小企業庁)。
- 継続雇用者:前年度と適用年度の全ての月に給与を受けた雇用保険の一般被保険者(継続雇用制度の対象者を除く)。中堅・大企業の判定に使う(施行令5項)。
- 教育訓練費:外部講師の謝金・施設の使用料・研修委託費・外部研修の受講料など。自社の人件費・旅費・教材の購入・自社施設の維持費は入らない(ガイドブック p.14〜15)。改正後は使わない。
- くるみん等の時期:くるみん・えるぼしは適用年度中に取得、プラチナは適用年度末に保有していること。トライくるみん・えるぼし1段階目・旧基準のくるみんは対象外。
- マルチステークホルダー方針:資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上(改正前の大企業は従業員2,000人超も)の会社は、方針を公表して経産省に届け出ないと適用できない(施行令1・2項)。個人事業主は改正前の従業員2,000人超の場合だけ。
根拠と確認
- 租税特別措置法 42条の12の5・10条の5の4:現行の条文と、改正前(時点指定 2026/3/31)の条文の両方を e-Gov 法令APIで取得して率・割合・期間を写した。令和8年法律第12号の附則29条・50条(適用の区分)も原文で確認。
- 租税特別措置法施行令 27条の12の5:国内雇用者・継続雇用者・比較給与の月数調整・前年度0円の扱い・方針公表。
- 中小企業庁 中小企業向け賃上げ促進税制 ご利用ガイドブック(令和8年5月1日更新版):ケース1-1〜2-3(要件の判定・助成金の調整)と繰越の例(450 → 300 控除・150 繰越)を検査で再現。
- 国税庁 タックスアンサー No.5927/5927-2/5927-3(令和7年4月1日現在=改正前の内容)。
法令確認日 2026/09/12。令和9年4月以後に開始する事業年度の扱い(延長・見直し)が決まったら更新履歴に記録します。