労災の休業補償給付の計算ツール(いくらもらえるか・手取り・待期3日の会社負担・給付基礎日額)
仕事中や通勤中のけが・病気で休んだとき、労災保険から1日いくら・合計いくら出るかを労働者災害補償保険法どおりに計算します。被災日・休業の期間・3か月の賃金を入れると、給付基礎日額(平均賃金の1円未満切上げ・最低保障 4,350円・被災日が古いときの休業スライド・療養開始から1年6か月後の年齢階層別限度額)、休業(補償)給付60%+休業特別支給金20%(1日の額の1円未満切捨て)、待期3日と会社が払う休業補償(平均賃金の60%)、通勤災害の一部負担金200円、通院で一部労働した日、有給・月給据置など会社から賃金を受ける日(60%未満なら支給・以上なら不支給)、非課税・時効2年まで。厚生労働省の計算例(月20万円→1日5,217円)で照合しています。
この計算は労働者災害補償保険法・同施行規則・特別支給金支給規則と厚生労働省の公式解説(計算例・Q&A・通達)によるものです。実際の支給額は労働基準監督署の支給決定によります。休業スライドの一覧表は四半期ごとに改定されるので、支給事由の日がこの表の期間(令和8年7月〜9月)以外なら当時の表で確認してください。障害年金との調整(14条2項)、給付基礎日額の特例(則9条:私傷病休業・じん肺・船員・その他労働基準局長の定め)、特別加入者、傷病補償年金への切替えの判断は個別に確認が要ります。最終判断は労働基準監督署・社会保険労務士にご確認ください。
この道具の作り方と見張り
- 根拠:労働者災害補償保険法、労災保険法施行規則、労災保険特別支給金支給規則(e-Gov の条文 3 本)と、厚生労働省の資料 3 本を毎日自動で照合しています。条文や数値が変わると運営者に通知が届き、道具と早見表を直してから更新履歴に載せます。
- 計算:このページの中の JavaScript が、上の根拠の欄に書いた手順どおりに計算します。入力した数字はどこにも送られません。早見表は同じ計算から機械で作り、開くたびに突き合わせています。
- 確認:公開前に自動テストと実ブラウザの点検を通しています。公開 2026/09/14・最終更新 2026/09/17。
- 運営:株式会社信大。総務・経理・労務・現場の実務で使う計算を、法令や規格の一次資料から作って無料で公開しています。
- ホーム画面:スマホで繰り返し使うなら、ブラウザの共有ボタン→「ホーム画面に追加」で 1 タップで開けます(アプリの入れ物は要りません・入力は送信しません)。
仕組み・早見表・よくある質問(2026/09/14 確認)
休業(補償)等給付の仕組み(労災法14条・特別支給金支給規則3条)
- 3つの要件:①業務上・通勤による負傷や疾病の療養のため ②労働することができず ③賃金を受けない日 = その第4日目から、1日につき給付基礎日額の60%(休業補償給付/通勤災害は休業給付)+20%(休業特別支給金)=合計80%。
- 待期3日:休業の初日から3日間は労災から出ない。連続していなくてもよく、所定休日や有給の日も待期に数える(行政の取扱いとされるが、当サイトは通達の原文未確認。Q&A 3-4 は「休業初日から3日まで」とだけ書く)。業務災害なら事業主が労基法76条の休業補償(1日につき平均賃金の60%)を払う義務がある(労災の給付ではないので非課税=国税庁 No.1905)。通勤災害・複数業務要因災害には事業主の義務はない(厚労省Q&A 3-4・リーフレット)。
- 所定休日も対象:要件を満たしていれば会社の休みの日の分も支給される。週2日勤務のパートでも同じ(Q&A 3-2)。
- 端数:平均賃金は銭未満切捨て → 給付基礎日額は1円未満切上げ(8条の5)→ 1日の給付額(60%・20%それぞれ)は1円未満切捨て(厚労省Q&A 3-5 の計算例:6,522円×0.6=3,913円20銭→3,913円)。
- 非課税(12条の6)。所得税・住民税・社会保険料はかからない。
- 時効:休業の日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年(42条)。請求は1か月ごとが一般的で、様式第8号(通勤災害は第16号の6)を労働基準監督署へ。特別支給金の申請は同じ様式で同時に。
- いつまで:治る(症状固定)まで。療養開始から1年6か月を経過して傷病等級1〜3級に当たれば傷病(補償)等年金に切り替わり、当たらなければ休業給付が続く(年齢階層別の限度額が適用)。
- 健康保険の傷病手当金は、労災の給付を受けられる傷病には出ない(健康保険法55条)。
給付基礎日額の決め方(8条・8条の2・8条の5)
- 原則=平均賃金(労基法12条):被災日(賃金締切日があれば直前の締切日)の直前3か月の賃金総額÷その期間の暦日数。日給・時給・出来高は「総額÷労働日数×60%」の最低保障。賞与・臨時の賃金は除く。1円未満切上げ。
- 最低保障額(自動変更対象額):平均賃金がこれに満たないときはこの額(則9条)。令和8年8月1日〜 4,350円(令和7年8月1日〜 4,250円)。毎年8月1日に改定。
- 複数事業労働者:同時に2社以上で働く人は、会社ごとの平均賃金に相当する額を合算した額が給付基礎日額(8条3項・則9条の2の2・令和2年9月〜)。最低保障額は合算後に当てる。合算の前後どちらで1円未満を切り上げるかは規則に明記がなく、ツールは合算してから1回切り上げる(差は最大1円・未確認)。
- 休業スライド(8条の2第1項):被災日の四半期の平均給与額(毎月勤労統計)から±10%を超えて変動した四半期の翌々四半期から、その率(通算スライド率)を給付基礎日額に掛ける。令和3年以前の被災は110%が付いている四半期が多く、令和4年以降は100%(令和8年7〜9月に支給事由の生じた給付の表)。表は四半期ごとに改定されるので、ツールは令和8年7月1日以後の休業日にだけ自動で掛け、それより前の日(遡って請求する分)は当時の表の率を手入力してもらう。スライド後も1円未満切上げ。スライド後が最低保障額に満たないときは、給付基礎日額を「最低保障額÷スライド率」(1円未満切捨て)に置き換えてから掛ける(則9条1項5号ロ)。
- 療養開始から1年6か月を経過した日以後(8条の2第2項):年齢階層別の最低・最高限度額の範囲に収める。年齢は支給事由の日の属する四半期の初日で見る(誕生日の前日に歳をとる)。表は毎年8月1日改定(令和8年8月1日〜の表を収録)。
会社から賃金を受ける日・一部労働した日
- 全部休業の日に会社から賃金(有給休暇・月給の据置き・一部支給)を受けても、平均賃金の60%未満なら「賃金を受けない日」に当たり支給される。60%以上なら支給されない(令和3.3.18 基管発0318第1号・昭40.7.31基発901号)。ただし待期の3日には数える。
- 支給される場合の額は(給付基礎日額 − その日に支払われた賃金)×60%・×20%(部分算定日=14条1項ただし書)。月給が日割りされずそのまま払われるときは÷30で日割(昭45.5.14基発375号に準ずる)。
- 見舞金・企業内の上積み補償(労災給付に上乗せする趣旨のもの)は「賃金」ではないので引かれない。
- 通院で早退した日など所定労働時間の一部だけ働いた日=(給付基礎日額 − 実働賃金)×60%・×20%。実働分のほかに「平均賃金と実働賃金の差額の60%以上」を会社が払う日は支給されない(Q&A 3-3)。
- 最高限度額の適用がある人(1年6か月後)は、限度額を当てはめる前の日額から賃金を引き、引いた後が限度額を超えれば限度額(14条)。控除する賃金はその会社の平均賃金相当額が上限(基管発0318第1号)。複数事業労働者は「賃金を受けない日」を会社ごとに判断し、一部の会社でも該当すれば支給対象(ツールは他の会社が無給の前提)。
早見表:給付基礎日額ごとの1日の額(休業補償給付60%+休業特別支給金20%・令和8年8月〜)
| 給付基礎日額 | 休業(補償)給付 60% | 特別支給金 20% | 1日の合計 | 30日分 |
|---|---|---|---|---|
| 4,350円(最低保障額) | 2,610円 | 870円 | 3,480円 | 104,400円 |
| 5,000円 | 3,000円 | 1,000円 | 4,000円 | 120,000円 |
| 6,000円 | 3,600円 | 1,200円 | 4,800円 | 144,000円 |
| 7,000円 | 4,200円 | 1,400円 | 5,600円 | 168,000円 |
| 8,000円 | 4,800円 | 1,600円 | 6,400円 | 192,000円 |
| 10,000円 | 6,000円 | 2,000円 | 8,000円 | 240,000円 |
| 12,000円 | 7,200円 | 2,400円 | 9,600円 | 288,000円 |
| 15,000円 | 9,000円 | 3,000円 | 12,000円 | 360,000円 |
| 20,000円 | 12,000円 | 4,000円 | 16,000円 | 480,000円 |
1日の額は60%・20%それぞれ1円未満切捨て。4,350円は最低保障額(平均賃金がこれ未満でもこの額・令和8年8月1日から)。休業4日目から支給(最初の3日は待期=業務災害なら会社が平均賃金の60%を払う)。この表はツールと同じ計算から機械で作っています。
出典:実務計算「早見表:給付基礎日額ごとの1日の額(休業補償給付60%+休業特別支給金20%・令和8年8月〜)」(更新 2026/09/17・道具と同じ計算から機械生成・改定履歴)。転載・引用は自由です=出典のリンクを添えてください。
よくある質問
- Q. 労災の休業補償は何割もらえますか?
- A. 給付基礎日額(ほぼ平均賃金)の80%です。内訳は休業(補償)給付60%+休業特別支給金20%。手取りの給与と比べると、非課税で社会保険料もかからないので実感は8割より高めです。
- Q. 最初の3日分は誰が払いますか?
- A. 業務災害なら会社が労働基準法76条の休業補償(平均賃金の60%)を払います。通勤災害には会社の義務はありません。ツールは待期3日分の会社負担額も出します。前回の請求で待期を消化しきれなかったときは「この期間で数える待期」で残り日数を選びます。
- Q. 土日(会社の休み)も休業日に数えますか?
- A. 数えます。3要件を満たしていれば所定休日の分も支給されます(厚労省Q&A 3-2)。
- Q. 有給休暇を使った日は?
- A. 有給で平均賃金の60%以上の賃金を受ける日は支給されません(通常の有給は100%なので出ない)。待期の3日には数えられます。時間単位の有給などで60%未満なら、給付基礎日額からその賃金を引いた額の80%が出ます。
- Q. 会社が給料を全額払ってくれています。
- A. 「賃金を受けない日」に当たらないので労災の休業給付は出ません。会社が労災の上乗せとして見舞金を払う場合は賃金ではないので影響しません。
- Q. パート・入社したばかりでも?
- A. 対象です。平均賃金は日給・時給なら「総額÷労働日数×60%」の最低保障があり、さらに給付基礎日額には最低保障額 4,350円があります。入社3か月未満は雇入れ後の期間で計算します。
- Q. 何年も前のけがで休業中です。金額は変わりますか?
- A. 賃金水準が被災日の四半期から10%を超えて上がると休業スライドで給付基礎日額が増えます(令和3年以前の被災は110%の四半期が多い)。療養開始から1年6か月を超えると年齢階層別の最低・最高限度額も掛かります。ツールは被災日と生年月日から自動で計算します。
- Q. 税金はかかりますか?
- A. かかりません(労災法12条の6)。会社が払う待期3日分の休業補償も非課税です(国税庁 No.1905)。
- Q. いつまでに請求すればいいですか?
- A. 休業した日ごとに翌日から2年で時効です。1か月ごとにまとめて請求するのが一般的です。
根拠と確認
- 労働者災害補償保険法8条(給付基礎日額=平均賃金・複数事業労働者の合算)・8条の2(休業スライド・1年6か月後の年齢階層別限度額)・8条の5(1円未満切上げ)・12条の6(非課税)・14条(第4日目から60%・部分算定日)・22条の2(通勤災害の休業給付・一部負担金の控除)・31条・42条(時効2年):e-Gov 法令APIで現行を取得。
- 同施行規則9条(給付基礎日額の特例・自動変更対象額)・44条の2(一部負担金200円・日雇特例100円)、労働者災害補償保険特別支給金支給規則3条(休業特別支給金20%・部分算定日)、労働基準法12条(平均賃金)・76条(事業主の休業補償60%)、健康保険法55条(傷病手当金との調整)。
- 厚生労働省「労災年金給付等に係るスライド率等について」:最低保障額 4,350円(令和8年8月1日〜・改定前 4,250円)、年齢階層別最低・最高限度額(表2・令和8年8月1日〜令和9年7月31日と改定前)。「休業(補償)等給付に係るスライド率」:通算スライド率一覧表(令和8年7月〜9月に支給事由の生じた給付)を四半期ごとに収録。
- 厚生労働省 労災保険Q&A 3-5(計算例:月20万円・末締め・10月の事故→給付基礎日額 6,522円・1日 3,913円+1,304円=5,217円=このツールの既定値と一致)、3-2(所定休日も支給)、3-3(一部労働の60%)、3-4(待期3日は事業主)、3-1(いつまで)。リーフレット「休業(補償)等給付・傷病(補償)等年金の請求手続」(一部負担金・時効・複数事業労働者)。
- 令和3.3.18 基管発0318第1号ほか「複数事業労働者の休業(補償)等給付に係る部分算定日等の取扱いについて」:「賃金を受けない日」=平均賃金の60%未満(昭40.7.31基発901号)、有給等の賃金は給付基礎日額から控除、月給は÷30、見舞金・上積み補償は控除しない。
- 平均賃金の計算は平均賃金・休業手当、3か月の期間の決め方は解雇予告手当と同じエンジンを共用(数字が食い違わない)。
法令確認日 2026/09/14。改正があれば更新履歴に記録します。