産業医・衛生管理者は何人から必要か(選任義務チェック)
事業場の常時使用する労働者数と業種を入れると、労働安全衛生法で決まっている総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者(人数と免許の種類)・安全衛生推進者/衛生推進者・産業医(嘱託か専属か)・安全委員会・衛生委員会・定期健康診断の結果報告・ストレスチェックの要否を、条文の人数(10人・50人・100人・300人・500人超・1,000人…)どおりに判定します。人数が増えたときに次に何が必要になるかも出します。ストレスチェックは令和10年4月1日から50人未満の事業場も義務になるので、基準日で切り替わります。入力した内容はこのページの中だけで処理し、サーバーには送りません。
この判定は労働安全衛生法・施行令・規則の人数と業種の要件だけを見たものです。業種の区分(日本標準産業分類)の当てはめ、「常時使用する労働者」の数え方、複数の事業場を1つとみなす扱い、建設業の元方・統括安全衛生責任者・作業主任者・特定化学物質等の作業環境測定や特殊健康診断、化学物質管理者・保護具着用管理責任者(令和6年4月〜)は別に確認が要ります。選任した管理者の資格(免許・研修)や届出の様式は労働基準監督署へ。最終判断は労働基準監督署・産業保健総合支援センター・社会保険労務士にご確認ください。
この道具の作り方と見張り
- 根拠:労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則、労働基準法施行規則(e-Gov の条文 4 本)と、厚生労働省の資料 1 本を毎日自動で照合しています。条文や数値が変わると運営者に通知が届き、道具を直してから更新履歴に載せます。
- 計算:このページの中の JavaScript が、上の根拠の欄に書いた手順どおりに計算します。入力した数字はどこにも送られません。
- 確認:公開前に自動テストと実ブラウザの点検を通しています。公開 2026/09/14・最終更新 2026/09/14。
- 運営:株式会社信大。総務・経理・労務・現場の実務で使う計算を、法令や規格の一次資料から作って無料で公開しています。
- ホーム画面:スマホで繰り返し使うなら、ブラウザの共有ボタン→「ホーム画面に追加」で 1 タップで開けます(アプリの入れ物は要りません・入力は送信しません)。
人数と業種でどう決まるか(早見表・2026/09/14 確認)
人数の早見表(業種による違いは「業種」の列)
| 常時使用する労働者数 | 必要になるもの | 業種 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 10人以上 50人未満 | 安全衛生推進者(衛生推進者)。労基署への報告は不要・氏名を周知 | 安全管理者を置く業種(令2条1・2号)は安全衛生推進者、その他の業種は衛生推進者 | 安衛法12条の2・安衛則12条の2〜4 |
| 50人以上 | 衛生管理者1人・産業医(嘱託可)・衛生委員会・定期健康診断結果報告・ストレスチェックの実施と報告。+安全管理者(令2条1・2号の業種) | 全業種(安全管理者は林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業・製造業・電気ガス熱供給水道・通信・各種商品卸売小売等・旅館・ゴルフ場・自動車整備・機械修理) | 令3〜5条・9条、安衛則52条・52条の21 |
| 50人以上(安全委員会) | 安全委員会 | 林業・鉱業・建設業・製造業のうち木材木製品・化学工業・鉄鋼・金属製品・輸送用機械、道路貨物運送・港湾運送、自動車整備・機械修理・清掃業 | 令8条1号 |
| 100人以上 | 安全委員会(上記以外の令2条1・2号の業種)。総括安全衛生管理者(林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業) | 令8条2号・令2条1号 | 安衛法10条・17条 |
| 201人以上(200人を超える) | 衛生管理者2人 | 全業種 | 安衛則7条1項4号 |
| 300人以上 | 総括安全衛生管理者(製造業・電気ガス熱供給水道・通信・各種商品卸売小売等・旅館・ゴルフ場・自動車整備・機械修理)。専任の安全管理者(建設業・有機化学工業製品製造業・石油製品製造業) | 令2条2号・安衛則4条1項4号 | 安衛法10条・11条 |
| 500人以上 | 専任の安全管理者(無機化学工業製品・化学肥料製造業・道路貨物運送業・港湾運送業)。有害業務に500人以上なら専属の産業医 | 安衛則4条1項4号・13条1項3号 | 安衛法11条・13条 |
| 501人以上(500人を超える) | 衛生管理者3人。坑内労働・労基則18条の有害業務に合計30人以上なら専任の衛生管理者、そのうち坑内・暑熱・放射線・粉じん・異常気圧・有害ガス等(1・3・4・5・9号)に合計30人以上なら1人は衛生工学衛生管理者 | 全業種 | 安衛則7条1項4〜6号 |
| 1,000人以上 | 専属の産業医。総括安全衛生管理者(その他の業種)。専任の安全管理者(紙・パルプ製造業・鉄鋼業・造船業) | 安衛則13条1項3号・令2条3号・安衛則4条1項4号 | 安衛法13条・10条・11条 |
| 1,001人以上(1,000人を超える) | 衛生管理者4人・少なくとも1人は専任 | 全業種 | 安衛則7条1項4号・5号イ |
| 2,000人以上 | 専任の安全管理者(上記以外の令2条1・2号の業種で、過去3年間の休業1日以上の死傷者が100人を超える事業場) | 安衛則4条1項4号ただし書 | 安衛法11条 |
| 2,001人以上(2,000人を超える) | 衛生管理者5人 | 全業種 | 安衛則7条1項4号 |
| 3,001人以上(3,000人を超える) | 衛生管理者6人・産業医2人以上 | 全業種 | 安衛則7条1項4号・13条1項4号 |
衛生管理者の免許(第一種か第二種か)
農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業(物の加工業を含む)・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業・清掃業は第一種衛生管理者免許(又は衛生工学衛生管理者免許・医師・歯科医師・労働衛生コンサルタント・厚生労働大臣の定める者)が必要で、第二種では選任できません。それ以外の業種(事務所・小売・金融・情報・サービスなど)は第二種でも可(安衛則7条1項3号)。
選任の期限と届出
| 誰を | 期限 | 労基署への報告 | 専属(その事業場に所属) |
|---|---|---|---|
| 総括安全衛生管理者 | 事由発生から14日以内 | 要(選任報告) | 事業の実施を統括管理する者(工場長など) |
| 安全管理者 | 14日以内 | 要 | 原則専属(2人以上のうち労働安全コンサルタント1人は非専属可) |
| 衛生管理者 | 14日以内 | 要 | 原則専属(2人以上のうち労働衛生コンサルタント1人は非専属可) |
| 安全衛生推進者・衛生推進者 | 14日以内 | 不要(氏名を掲示等で周知) | 原則専属(コンサルタント等は非専属可) |
| 産業医 | 14日以内 | 要 | 1,000人以上又は有害業務500人以上なら専属。代表者・統括管理者は不可 |
| 安全委員会・衛生委員会 | — | 不要(議事録3年保存) | 毎月1回以上開催、議事の概要を周知 |
ストレスチェックの改正(令和7年法律第33号)
ストレスチェック(安衛法66条の10)は常時50人以上の事業場の義務で、50人未満は附則4条により「当分の間」努力義務でした。令和7年5月14日公布の改正法で50人未満も義務になり、施行日は政令で令和10年(2028年)4月1日と定められました。労基署への結果報告(安衛則52条の21)は引き続き50人以上の事業場だけです。50人未満の事業場は産業医の選任義務も無いので、実施者(医師・保健師など)の確保は地域産業保健センターや外部機関を使うことになります。
よくある質問
- Q. 会社全体で60人ですが、本社30人・工場30人です。
- A. 事業場ごとに数えるので、どちらも50人未満=衛生管理者・産業医は不要で、10人以上なので各事業場に安全衛生推進者(工場)/衛生推進者(本社が事務所なら)を置きます。ストレスチェックは令和10年4月1日から両方で義務です。
- Q. 「常時50人」にパートは入りますか?
- A. 入ります。日雇いや臨時の人を除き、常態として使っている労働者は雇用形態に関係なく数えます。派遣労働者は派遣先でも数えます(安全管理者・安全委員会の人数は派遣先だけ)。
- Q. 50人になったらいつまでに選任しますか?
- A. 選任すべき事由(50人に達した日)から14日以内に選任し、遅滞なく労基署に報告します(安全衛生推進者は報告不要)。
- Q. 産業医は嘱託でよいですか?
- A. 常時1,000人未満で、有害業務(深夜業を含む)に常時500人以上が従事していなければ嘱託(非専属)で足ります。
- Q. 衛生管理者を1人しか置けない事情があります。
- A. やむを得ない事由があれば、所轄の都道府県労働局長の許可を受けて人数の規定によらないことができます(安衛則8条)。
根拠と確認
- 労働安全衛生法 10条(総括安全衛生管理者)・11条(安全管理者)・12条(衛生管理者)・12条の2(安全衛生推進者等)・13条(産業医)・13条の2(50人未満の努力義務)・17〜19条(委員会)・66条の10(ストレスチェック)・附則4条:e-Gov 法令APIで現行と令和10年4月1日以後の版を取り、附則4条(50人未満の努力義務)が令和10年4月1日の版で消えることを確認。
- 労働安全衛生法施行令 2条(総括安全衛生管理者:1号100人・2号300人・3号1,000人)・3条(安全管理者:1・2号の業種で50人)・4条・5条(衛生管理者・産業医 50人)・8条(安全委員会 50人/100人)・9条(衛生委員会 50人)。
- 労働安全衛生規則 4条(専任の安全管理者の表)・7条(衛生管理者の人数・免許・専任・衛生工学)・12条の2(推進者 10人以上50人未満)・13条(産業医の専属 1,000人・有害業務500人・3,000人超2人)・23条(委員会 毎月1回)・52条(健診結果報告 50人以上)・52条の9(ストレスチェック 1年以内ごと)・52条の21(報告 50人以上)。
- 労働基準法施行規則 18条(1〜10号の有害業務)。専任の衛生管理者は坑内労働又は18条各号の業務に常時30人以上、衛生工学衛生管理者の対象は坑内労働又は1・3・4・5・9号(30人は坑内労働にも掛かる=合計で数える)。
- 厚生労働省 山梨労働局「令和10年4月1日から労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されます」(令和7年法律第33号の施行日)。
法令確認日 2026/09/14。改正があれば更新履歴に記録します。