36協定の上限チェック(月45時間・年360時間・複数月平均80時間・年6回)
毎月の時間外労働と休日労働の時間を入れると、時間外労働の上限規制(労働基準法36条)を全部まとめて判定します。限度時間(月45時間・年360時間)、特別条項の年720時間、休日労働を含めた月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内(前の協定期間の月も含めて計算)、限度時間を超えられるのは年6回まで。協定で定めた時間との突合、特別条項の残り回数、来月あと何時間できるかも出ます。1年単位の変形労働時間制(42時間・320時間)、2024年4月から適用された建設業の災害復旧・自動車運転者(年960時間)・医師(年960/1,860時間)の特例と、研究開発の適用除外(36条11項)に対応。入力した内容はこのページの中だけで処理し、サーバーには送りません。
この道具の作り方と見張り
- 根拠:労働基準法、労働基準法施行規則(e-Gov の条文 2 本)と、厚生労働省の資料 1 本を毎日自動で照合しています。条文や数値が変わると運営者に通知が届き、道具を直してから更新履歴に載せます。
- 計算:このページの中の JavaScript が、上の根拠の欄に書いた手順どおりに計算します。入力した数字はどこにも送られません。
- 確認:公開前に自動テストと実ブラウザの点検を通しています。公開 2026/09/12・最終更新 2026/09/12。
- 運営:株式会社信大。総務・経理・労務・現場の実務で使う計算を、法令や規格の一次資料から作って無料で公開しています。
- ホーム画面:スマホで繰り返し使うなら、ブラウザの共有ボタン→「ホーム画面に追加」で 1 タップで開けます(アプリの入れ物は要りません・入力は送信しません)。
時間外労働の上限規制のしくみ(2026/09/12 確認)
上限は5つ。全部同時に守る
| 上限 | 数える物 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| ① 限度時間 | 時間外のみ | 月45時間・年360時間。1年単位の変形労働時間制(対象期間3か月超)は月42時間・年320時間。36協定で定める時間はこの範囲内 | 36条3・4項 |
| ② 特別条項 | 時間外のみ(年)/時間外+休日(月) | 臨時的な特別の事情がある時だけ限度時間を超えられる。年720時間以内(時間外のみ)、月は休日労働を含めて100時間未満、限度時間を超えられるのは年6回まで | 36条5項 |
| ③ 月100時間未満 | 時間外+休日 | 特別条項の有無に関わらず、毎月。100時間ちょうどは違反 | 36条6項2号 |
| ④ 2〜6か月平均80時間以内 | 時間外+休日 | どの月から見ても、直前1〜5か月と合わせた2・3・4・5・6か月平均の全部が80時間以内。前の協定期間の月も含めて計算する。80時間ちょうどは適法 | 36条6項3号 |
| ⑤ 罰則 | - | ③④に違反すると6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金。協定の範囲を超えた時間外労働は32条違反 | 119条 |
「時間外」は法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた時間で、会社の所定労働時間を超えただけの時間(所定外)は入りません。「休日労働」は法定休日(週1日または4週4日)の労働で、それ以外の休日(所定休日)の労働は時間外として数えます。
特別条項の回数の数え方と「来月あと何時間できるか」
限度時間(45時間)を超えた月を数え、対象期間の1年で6回までです。協定で「原則の月」を45時間より短く定めている場合、それを超えた月は協定上の特別条項の発動になりますが、様式の「限度時間を超えて労働させることができる回数」に数えるのは45時間(42時間)を超えた月だけです。このページは両方を分けて表示し、回数の判定は限度時間超えで行います。
来月の枠は厚生労働省の解説(P.17〜18)の手順で出します。①時間外:特別条項の残り回数があれば「特別条項の月の上限」と「年の残り時間」の小さい方、残り回数が無ければ「原則の月の時間(45時間)」まで。②時間外+休日:「月100時間未満(協定の月の上限)」と「N×80時間−前(N−1)か月の合計」(N=2〜6)の一番小さい値。時間外は②の枠を超えられません。
業種の特例(建設・運転・医師は2024年4月1日から。研究開発の適用除外は2019年4月から)
| 業種・業務 | 限度時間 45/360 | 年6回 | 月100時間未満 | 2〜6か月平均80 | 年の上限 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 一般の事業(建設業の通常の工事・砂糖製造業を含む) | ○ | ○ | ○ | ○ | 時間外 720時間 | 36条 |
| 建設業の災害時の復旧・復興の事業 | ○ | ○ | 適用なし | 適用なし | 時間外 720時間 | 附則139条1項 |
| 自動車運転の業務(トラック・バス・タクシー) | ○ | 適用なし | 適用なし | 適用なし | 時間外 960時間 | 附則140条1項 |
| 医師(A水準) | ○ | 適用なし | ○(面接指導等で例外) | 適用なし | 時間外+休日 960時間 | 附則141条・労基則69条の4・69条の5 |
| 医師(連携B水準) | ○ | 適用なし | ○(面接指導等で例外) | 適用なし | 自院の36協定は時間外+休日 960時間。副業・兼業先と通算した本人の上限は 1,860時間 | 読替え省令1条2号・2条 |
| 医師(B・C水準) | ○ | 適用なし | ○(面接指導等で例外) | 適用なし | 時間外+休日 1,860時間 | 読替え省令1条1号・2条 |
| 新技術・新商品等の研究開発(2019年4月から適用除外) | 適用なし | 適用なし | 適用なし | 適用なし | なし(100時間超で面接指導が義務) | 36条11項・安衛法66条の8の2 |
自動車運転者には別に「改善基準告示」(拘束時間・休息期間)があり、このページでは見ていません。医師の年960/1,860時間は時間外と休日労働の合計で、一般の720時間(時間外のみ)と数え方が違います。連携B水準は「自院の36協定で定められる上限が960時間、副業・兼業先と通算した医師本人の上限が1,860時間」の二段構えで、このページは自院の分(960時間)で判定します(厚労省 医師Q&A 3-1・3-3)。鹿児島県・沖縄県の砂糖製造業は2024年4月から一般と同じです。
面接指導(労働安全衛生法)
- 一般の労働者:週40時間を超えた時間が月80時間超で疲労の蓄積がある人は、本人の申出があれば医師の面接指導。会社は80時間超の人に時間数を通知する(安衛則52条の2・52条の3)。
- 研究開発の業務:月100時間超で申出が無くても面接指導が義務(安衛法66条の8の2・安衛則52条の7の2)。
- 医師:月100時間以上が見込まれる医師には管理者が面接指導を行わせる(労基則69条の3第2項)。
よくある質問
- Q. 残業が月45時間以内なら休日労働は何時間でもいいですか?
- A. いいえ。時間外44時間+休日労働56時間=100時間は違反です(厚労省の解説の例)。③④は特別条項の有無や限度時間と関係なく毎月掛かります。
- Q. 2〜6か月平均は協定の1年の中だけで計算しますか?
- A. いいえ。対象期間の初日をまたいで直前の月と合わせます。4月開始なら4月の6か月平均には前年の11月〜3月が入ります。このページの「前の協定期間の直前5か月」に入れてください。
- Q. 割増賃金を払っていれば上限を超えても大丈夫ですか?
- A. いいえ。上限は労働時間そのものの規制で、賃金を払っても違反です。残業代の計算は残業代計算で。
- Q. 特別条項の6回は、暦年ですか?
- A. 36協定の対象期間(1年)の中で数えます。対象期間の起算日は協定に書いてあります(労基則17条1項2号)。
- Q. 管理監督者にも上限規制は掛かりますか?
- A. 労基法41条の管理監督者には労働時間の規定が適用されないので、上限規制も掛かりません。ただし労働時間の状況の把握(安衛法66条の8の3)と面接指導は対象です。
根拠と確認
- 労働基準法36条(3〜6項・11項)と附則139条・140条・141条・142条:e-Gov 法令APIで現行(令和8年7月17日施行版)の条文を取得して数値と適用除外を写した。
- 労働基準法施行規則17条(協定の記載事項)・69条の2〜69条の5(医師の960時間・面接指導)。医師のB・連携B・C水準の1,860時間は医療法128条の読替え省令(厚労省「医師の時間外労働の上限規制に関するQ&A」p.37〜38 に条文)。
- 労働安全衛生法66条の8・66条の8の2、同規則52条の2・52条の3・52条の7の2(面接指導の80時間・100時間)。
- 厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」(2023.02版)P.15〜18 の実務イメージ(2021年4月〜2022年3月の12か月と直前5か月、特別条項 月85時間・年680時間・年6回)を検査で再現:特別条項の累計回数 1,2,2,2,2,3,4,4,5,6,6,6、2021年9月の2〜6か月平均 57.5/53.3/55.0/60.0/63.3、2021年4月の 62.5/48.3/43.8/46.0/45.8、2021年10月の可能時間数 85/80、2022年2月の 45。
- 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」ページの業種別の適用関係と照合。
法令確認日 2026/09/12。上限の時間数・特例が改正されたら更新履歴に記録します。