🧮実務計算総務・経理・労務の「面倒だが間違えられない計算」を、その場で。登録不要・入力した数字はサーバーに送りません。各ツールに現行法の根拠と法令確認日を付けています。
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固定残業代(みなし残業代)の計算ツール(何時間分か・最低賃金・超過分の精算)

固定残業代が何時間分になるか、その時間数に金額が足りているか、固定残業代を除いた時給が最低賃金を割っていないか、月45時間の限度を超えていないかを、その場で判定します。求人票に必要な明示3点の文例と、今月の超過分の精算額も出ます。入力した給与はこのページの中だけで計算し、サーバーには送りません。

基本(まずここだけ)

役職・職務・資格手当など。家族・通勤・別居・子女教育・住宅・臨時の手当は入れません(労基法37条5項・労基則21条)。

レ点を入れると、年間所定労働日数・1日の所定労働時間を使わず、月給のみで残業単価を計算します(法定労働時間 週40時間=月平均173.81時間で割る目安の計算。実際の所定労働時間は普通これより短いので、必要な金額はこれより多くなります)。

時間単価=月給×12÷年間所定労働日数÷1日の所定労働時間(=月給÷月平均所定労働時間、労基則19条1項4号)。年間所定労働日数は会社カレンダーの出勤日数(365日−年間休日)です。

詳しく設定(月平均所定労働時間の直接入力・今月の実績・判定日)
所定労働時間(直接入力する場合)

就業規則で月平均所定労働時間を定めている場合はここに直接入れます(入れると年間日数×時間÷12 より優先)。

今月の実績(入れると精算額が出ます)

深夜は25%の上乗せ、法定休日(週1日/4週4日の休日)は35%で、時間外とは別に計算します。所定休日の出勤は時間外労働に入れます。

判定日

判定は現行法と裁判例に基づく目安です。固定残業代の有効性は契約書・就業規則の書き方と運用の実態で決まります。最終確認は社会保険労務士・弁護士へ。

この道具の作り方と見張り

この計算の根拠(現行法・2026/09/01 確認)

固定残業代とは

名称にかかわらず、一定時間分の時間外労働(・休日・深夜労働)に対する割増賃金を定額で支払う仕組みです。「固定残業代を払っているから残業代は不要」ではなく、固定時間を超えた分は追加で支払う義務があります(労働基準法37条)。逆に、実際の残業が固定時間より少なくても、定額で支払う約束なので減額はしません。

「何時間分か」の出し方

割増賃金の基礎になる賃金(基本給+割増の基礎に入る手当)を月平均所定労働時間(年間所定労働日数×1日の所定労働時間÷12)で割って基礎の時間単価を出し、時間外労働は×1.25(月60時間を超える部分は×1.5)で1時間あたりの割増賃金を求めます。固定残業代 ÷ この単価 = 払えている時間数です。求人票や規程に書く時間数は、この時間数を切り捨てた整数までにしないと、「○時間分」に対して金額が足りない状態になります。時間単価と割増額の円未満は50銭未満切捨て・50銭以上切上げ(昭和63年基発150号)、必要額は円未満切上げで計算しています。

有効と認められる3条件(判例)

時間数の上限

36協定の限度時間は月45時間・年360時間です(労働基準法36条3・4項)。特別条項を結んでも月100時間未満(休日労働込み)・2〜6か月平均80時間以内・45時間超は年6回までです(同5・6項)。月80時間分の固定残業代は、労働者の健康を損なう危険があるとして公序良俗違反で無効とされました(イクヌーザ事件・東京高裁 平成30年10月4日)。このツールは45時間超を🔴、80時間以上を判例つきの🔴で表示します。

最低賃金の比較は固定残業代を除く

所定外労働に対する割増賃金は最低賃金の比較に算入しません(最低賃金法4条3項・同施行規則1条)。「固定残業代込みの月給」を時給換算して最低賃金を上回っていても、固定残業代を除いた基本給(+算入できる手当)÷月平均所定労働時間が最低賃金を下回っていれば違反です。精皆勤・通勤・家族手当も比較から除きます。

求人票に必要な明示3点

若者雇用促進法に基づく指針(平成27年厚生労働省告示406号)は、固定残業代を採用する場合に次の3点を募集要項・求人票に明示するよう定めています(厚生労働省リーフレット)。労働条件の明示義務そのものは職業安定法5条の3です。

  1. 固定残業代を除いた基本給の額
  2. 固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
  3. 固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨

結果欄の「求人票の表記例」は、この3点をリーフレットの記載例の形で並べたものです。深夜・休日の分も定額にする場合は、時間数と金額を分けて同じ形で書きます。

今月の精算

実際の時間外労働が固定時間を超えた分は、基礎の時間単価×1.25×超過時間(月60時間を超える部分は×1.5)を追加で支払います。深夜労働は所定内・時間外を問わず25%を上乗せ、法定休日労働は35%で、いずれも時間外の固定残業代とは別に計算します。固定時間に満たない月も固定残業代は全額支払います。

よくある質問

Q. 固定残業代を基本給に含めて「月給25万円(固定残業代含む)」と書いてもよいですか?
A. 基本給と固定残業代の金額が判別できない書き方は、残業代を払ったことになりません(テックジャパン事件)。「基本給○円、固定残業手当○円(○時間分)」と分けて書きます。「逆算する」モードで、総額から基本給と固定残業代の内訳を出せます。
Q. 固定残業時間は何時間までにすべきですか?
A. 36協定の限度時間である月45時間以内が実務の目安です。80時間分は無効とした裁判例があります。
Q. 残業が固定時間より少なかった月は、固定残業代を減らせますか?
A. 減らせません。定額で支払う約束だからです。減らす運用をすると、その手当が「時間外労働の対価」であること自体が疑われます。
Q. 固定残業代は欠勤控除の対象になりますか?
A. 賃金規程に控除する定めがある場合だけ控除できます。欠勤控除の計算は欠勤控除・給与日割り計算ツールで。
Q. 管理監督者にも固定残業代は必要ですか?
A. 管理監督者は時間外・休日の割増賃金の対象外ですが、深夜の割増(25%)は必要です。役職手当を「固定残業代」と呼んでいる場合、その人が本当に管理監督者に当たるかが先に問題になります。
Q. 手当が「割増の基礎に入る」かどうかはどう判断しますか?
A. 除けるのは家族・通勤・別居・子女教育・住宅の各手当と臨時の賃金・1か月を超える期間ごとの賃金だけです(限定列挙)。名前が「住宅手当」でも、扶養や家賃額に関係なく一律に払うものは基礎に入ります。