残業代計算ツール
月給または時給から、時間外25%・月60時間超50%・深夜の上乗せ25%・法定休日35%の残業代をその場で計算します。所定7.5時間の会社などで割増が付かない法定内残業、日ごとの切捨てが違法になる端数の決まり、未払い分を3年さかのぼった概算にも対応。入力した内容はこのページの中だけで計算し、サーバーには送りません。
この道具の作り方と見張り
- 根拠:労働基準法、労働基準法施行規則(e-Gov の条文 2 本)を毎日自動で照合しています。条文や数値が変わると運営者に通知が届き、道具を直してから更新履歴に載せます。
- 計算:このページの中の JavaScript が、上の根拠の欄に書いた手順どおりに計算します。入力した数字はどこにも送られません。
- 確認:公開前に自動テストと実ブラウザの点検を通しています。公開 2026/09/02・最終更新 2026/09/02。
- 運営:株式会社信大。総務・経理・労務・現場の実務で使う計算を、法令や規格の一次資料から作って無料で公開しています。
- ホーム画面:スマホで繰り返し使うなら、ブラウザの共有ボタン→「ホーム画面に追加」で 1 タップで開けます(アプリの入れ物は要りません・入力は送信しません)。
この計算の根拠(現行法・2026/09/02 確認)
割増率と重なり方
法定労働時間(1日8時間・週40時間、労基法32条)を超えた時間外労働は25%以上、月60時間を超えた分は50%以上、深夜(22〜5時)は25%を上乗せ、法定休日は35%以上です(労基法37条・割増賃金令)。重なると足し算になり、時間外+深夜=50%増、月60時間超+深夜=75%増、休日+深夜=60%増です(休日労働に「時間外」の25%はさらに重ねません=休日には法定労働時間の枠がないため)。
「法定内残業」には割増が付かない
割増が必要なのは法定労働時間を超えた分だけです。所定労働時間が7.5時間(9時〜17時・休憩1時間)の会社で18時まで働いた場合、17時〜17時30分は所定外でも法定内なので×1.00(割増なし)、8時間を超える17時30分以降が×1.25です。ただし×1.00の分も賃金の支払い自体は必要です(月給がその分をカバーしていない場合)。
月60時間超の50%は中小企業も対象
2023年4月から中小企業にも適用されています(それより前は大企業のみ)。労使協定を結べば、50%と25%の差の分を代替休暇で与えることもできます(37条3項)。
時間単価の出し方
月給制は「月給(基本給+割増の基礎に入る手当)÷ 月平均所定労働時間」です(労基則19条1項4号)。基礎から除けるのは家族・通勤・別居・子女教育・住宅の各手当と臨時の賃金・1か月を超える期間ごとの賃金(賞与)だけの限定列挙で(労基則21条)、名前が「営業手当」でも実態が労働の対価なら基礎に入ります。単価と割増額の円未満は50銭未満切捨て・50銭以上切上げです(昭和63年基発150号)。
端数処理:日ごとの切捨ては違法
認められている丸めは、①1か月合計の時間外・休日・深夜の時間数の30分未満切捨て・30分以上切上げ、②時間単価×割増率の50銭丸め、③1か月の割増賃金総額の100円未満四捨五入(基発150号)だけです。毎日15分未満を切り捨てる・タイムカードを30分単位で丸める運用は、働いた分の賃金不払い=労基法24条違反になります。
未払い残業代の時効は3年
賃金請求権の時効は当分の間3年です(労基法115条・附則143条3項)。「同じ状況が続いた月数」を入れると、さかのぼれる範囲の概算が出ます。裁判になった場合、裁判所は未払額と同額の付加金の支払いを命じることができます(労基法114条)。
36協定の上限
時間外労働の限度は月45時間・年360時間、特別条項を結んでも月100時間未満(休日労働込み)・2〜6か月平均80時間以内・45時間超は年6回までです(労基法36条)。割増賃金を払っていても、上限を超えた労働そのものが違法です。
よくある質問
- Q. 管理職には残業代が要らないのでは?
- A. 残業代が不要なのは労基法41条の「管理監督者」(経営に近い立場・出退勤の自由・地位にふさわしい待遇がそろう人)だけで、店長などの肩書だけでは該当しません。管理監督者でも深夜の25%は必要です。
- Q. 固定残業代(みなし残業代)をもらっていますが、追加はありますか?
- A. 固定分の時間数を超えた残業には追加の支払いが必要です。固定残業代チェックで「何時間分か」と超過分の精算額を計算できます。
- Q. 土曜出勤は35%ですか?
- A. 35%になるのは法定休日(週1日の休日)だけです。日曜が法定休日の会社の土曜出勤は「所定休日の労働」で、週40時間を超えた分が25%です。事前に休日を振り替えた場合(振替休日)は休日労働になりませんが、週をまたいで40時間を超えれば25%は必要です。事後の代休は休日労働のまま=35%が消えません。
- Q. 歩合給(インセンティブ)だけでも残業代は出ますか?
- A. 出ます。歩合給の単価は「歩合給÷その月の総労働時間」で、時間外にはその0.25倍(60時間超は0.5倍)を上乗せします(すでに1.0の部分は歩合給に含まれているという考え方)。
- Q. 会社が残業を認めていない(申請制)の場合は?
- A. 黙認していた残業(残業しないと終わらない量の指示など)は労働時間です。申請が無いことだけを理由に支払いを拒むことはできません。記録(PCログ・メール送信時刻など)を残しておくと請求時に有効です。
- Q. 年俸制なら残業代は不要ですか?
- A. 不要にはなりません。年俸に固定残業代を含める場合も、時間数と金額を分けて示す必要があります(固定残業代と同じルール)。