欠勤控除・給与日割り計算ツール
欠勤・遅刻早退・無給休暇の控除額と支給額を、その場で計算します。3つの計算方式を並べて比較、手当ごとの扱い、端数、都道府県の最低賃金チェックつき。入力した給与はこのページの中だけで計算し、サーバーには送りません。
この計算の根拠(現行法・2026/08/30 確認)
欠勤控除とは
働かなかった日・時間の分を、月給から差し引くことです(ノーワーク・ノーペイ)。法律に「こう計算しなさい」という定めはありません。分母をどうするか、どの手当を引くか、端数をどう扱うかは就業規則・賃金規程で会社が定めます。定めていない控除はできません(労働基準法24条 賃金の全額払い)。
3つの計算方式
| 方式 | 日額の出し方 | 特徴 |
|---|---|---|
| その月の所定労働日数 | 月給 ÷ その月の所定労働日数 | 月によって日額が変わる。最も多い方式。 |
| 年平均の所定労働日数 | 月給 ÷(年間所定労働日数 ÷ 12) | 年を通して日額が一定。全日欠勤した月に控除額が月給を超えることがある。 |
| 暦日 | 月給 ÷ その月の暦日数(28〜31) | 日額が一番低い。月の途中の入社・退職の日割りでよく使う。 |
このツールは選んだ方式で計算し、他の2方式の結果も並べて表示します(上司・本人への説明用)。
遅刻・早退は「分単位」
時間単価は「月給 ÷ 月平均所定労働時間(年間所定労働時間÷12)」です(労働基準法施行規則19条1項4号)。控除できるのは実際に働かなかった時間分だけです。5分の遅刻を30分として引くような処理は、働かなかった分を超える25分の控除が賃金の全額払いに反し違法です(昭和63年3月14日 基発150号 1項)。このツールに15分・30分単位の選択肢が無いのはそのためです。
減給の制裁との違い
遅刻を理由に「働かなかった分」を超えて給与を減らすのは、控除ではなく減給の制裁(懲戒)です。就業規則に定めがあり、労働基準法91条の上限(1回の額が平均賃金1日分の半額まで、総額がその賃金支払期の賃金総額の10分の1まで)の中でだけ行えます。このツールは制裁を計算しません。
手当の扱い
| 区分 | 手当の例 | 一般的な扱い |
|---|---|---|
| 職務・勤務に連動 | 役職・職務・資格・営業・特殊作業・調整・在宅勤務 | 出勤して働く前提の手当なので控除する |
| 勤怠に連動 | 皆勤手当・精勤手当 | 欠勤・遅刻があれば不支給(規程による) |
| 固定残業代 | みなし残業手当 | 所定労働を全うする前提。規程に明記がある場合だけ控除できる |
| 生活補助 | 家族・扶養・住宅・単身赴任・子女教育・地域・寒冷地・食事 | 出勤の有無に関係ない性質なので控除しないことが多い |
| 実費・実績払い | 通勤(定期券)・出張・宿日直・夜勤・交替勤務 | 対象外(実費や実績で払う)。通勤手当を日額×出勤日数で払う規程なら出勤日数分 |
残業・深夜・休日の割増単価
結果欄には、同じ月給から求めた割増賃金の1時間あたりの単価も参考表示します。率は労働基準法37条と割増賃金令の最低限度で、時間外25%・法定休日35%・深夜25%・月60時間を超える時間外50%(2023/4/1からは中小企業も)です。組み合わせは足し算(時間外+深夜50%、休日+深夜60%、60時間超+深夜75%)。所定労働時間を超えても1日8時間・週40時間の中に収まる「法定内残業」は法律上の割増が不要(×1.00)です。
欠勤控除の分母と割増の基礎は別物です。割増の基礎から外せる賃金は家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われた賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金の7つだけ(施行規則21条・限定列挙)。役職手当・資格手当・地域手当・食事手当などは名前に関係なく基礎に入ります。逆に「家族手当」という名前でも扶養人数に関係なく一律に払っているものは基礎に含めます(名目でなく実態で判断)。手当ごとの「割増基礎」チェックで切り替えられます。固定残業代は割増賃金そのものなので基礎に入れません。
端数
控除額の円未満は切り捨てが原則です。四捨五入は規程に定めがある場合に使えます。切り上げは引き過ぎ(賃金の一部未払い)になるため選べません。割増賃金の時間単価の「50銭未満切り捨て・以上切り上げ」や、月の支払額の「100円未満」の処理は基発150号に定めがありますが、いずれも就業規則の定めに基づいて行います。
欠勤が多い月
数日しか出勤しなかった月に「欠勤日数×日額」で引くと、控除後の賃金が時給換算で最低賃金を下回ったり、年平均方式では控除額が月給を超えることがあります。就業規則で「欠勤が○日を超えたときは出勤日数×日額で支給する」と定める会社が多く(週休2日で10日が一般例)、このツールでも切替できます。控除額が月給を超えた分を翌月から引くには労使協定が必要です(労働基準法24条1項但書)。
最低賃金チェック
控除後の賃金を実労働時間で割った時給換算が、都道府県の地域別最低賃金(厚生労働省 全国一覧)を下回っていないかを見ます。比較する賃金からは、法定どおり精皆勤手当・通勤手当・家族手当・割増賃金・臨時の賃金を除きます(最低賃金法4条3項・同施行規則1条)。2026年度(令和8年度)は7/28に中央最低賃金審議会が目安(A+54円/B・C+56円、全国加重平均1,176円)を答申し、各都道府県が10/1〜11月に順次発効します。このツールは判定日で現行額と改定後の額を自動で切り替えます。業種別の特定最低賃金がある場合は高い方が適用されるので、別途ご確認ください。
有給休暇・休業との違い
- 年次有給休暇の日は控除しません(労働基準法39条9項:通常の賃金/平均賃金/標準報酬日額のいずれかを支払う)。
- 会社都合の休業は控除ではなく休業手当(平均賃金の60%以上、労働基準法26条)の対象です。このツールの対象外です。
- 社会保険料(健康保険・厚生年金)は月単位で決まるため、欠勤しても日割りしません。
給与の形ごとの注意
- 完全月給制:欠勤しても控除しない給与形態です。控除するなら就業規則で日給月給制として定めます。
- 年俸制:年俸÷12(賞与分を除く月例分)を分子にします。時間単位の控除をするには規程に明記が必要です。
- 短時間勤務:短縮後の給与と所定労働時間で計算します(育児・介護休業法の短時間勤務は3歳未満、2025/4・10改正で代替措置にテレワークが追加)。
- 管理監督者:残業代の対象外でも、欠勤控除は行えます(別の問題です)。
よくある質問
- Q. 月の途中で入社・退職した人の日割りはどう計算しますか?
- A. 同じ日額で「勤務した日数×日額」を支給します。方式は就業規則の定め(暦日方式が多い)に従います。このツールで「欠勤が多い月の切替」を0日にして出勤日数方式にすると同じ計算になります。
- Q. 通勤手当(定期券)は欠勤したら減らせますか?
- A. 定期券代を実費で払う規程なら減らしません。日額×出勤日数で払う規程なら出勤日数分になります。
- Q. 半日欠勤はどう入れますか?
- A. 欠勤日数に0.5を足します。規程で時間単位控除にしている会社は、遅刻早退の欄に時間で入れてください。
- Q. 遅刻を3回で欠勤1日にする規程は有効ですか?
- A. 働かなかった時間を超えて引くことになり、賃金の全額払い(労働基準法24条)に反します。減給の制裁として91条の上限内で定める必要があります。
- Q. 残業代の単価は欠勤控除の時間単価と同じですか?
- A. 分母(月平均所定労働時間)は同じですが分子が違います。欠勤控除は規程で決めた「引く手当」を足した額、割増賃金は法律で除外が決まっている7つ以外を全部足した額が基礎です。住宅手当を欠勤控除しない会社でも、一律支給の住宅手当は割増の基礎に入ります。
- Q. 賞与の欠勤控除は?
- A. 賞与の算定は会社の裁量が広く、この計算の対象外です(支給基準・査定は就業規則・賞与規程で定めます)。