解雇予告手当の計算ツール(何日分か・いつまでに払うか・平均賃金と端数処理)
解雇を通告する日と解雇日を入れると、解雇予告手当が何日分いるか(即日解雇は30日分、予告した日数分だけ減る=労働基準法20条)と金額を出します。平均賃金(12条)は賃金締切日から遡る3か月を自動で決め、日給・時給・パートの最低保障60%、雇入れ後3か月未満、控除期間、銭未満切捨て・円未満四捨五入の端数まで労働局の解説どおり。試用期間14日以内・2か月以内の期間雇用・日々雇入れの適用除外(21条)、いつまでに払うか、退職所得としての所得税・住民税、手当なしで解雇できる最短の解雇日も分かります。
この計算は労働基準法20条・21条・12条と労働局の公式解説(端数処理・起算日)によるものです。解雇予告手当を払えば解雇できるという意味ではなく、解雇そのものの有効性(客観的に合理的な理由・社会通念上の相当性=労働契約法16条)、解雇制限(業務上災害・産休中とその後30日=労基法19条)、除外認定の可否、有期契約の途中解雇(やむを得ない事由が必要)は別の問題です。平均賃金の特例(労働局長の定め・日雇の額)、現物給与、賃金締切日が複数ある場合は個別に確認が要ります。最終判断は労働基準監督署・社会保険労務士・弁護士にご確認ください。
この道具の作り方と見張り
- 根拠:労働基準法、労働基準法施行規則(e-Gov の条文 2 本)と、厚生労働省の資料 1 本を毎日自動で照合しています。条文や数値が変わると運営者に通知が届き、道具を直してから更新履歴に載せます。
- 計算:このページの中の JavaScript が、上の根拠の欄に書いた手順どおりに計算します。入力した数字はどこにも送られません。
- 確認:公開前に自動テストと実ブラウザの点検を通しています。公開 2026/09/14・最終更新 2026/09/14。
- 運営:株式会社信大。総務・経理・労務・現場の実務で使う計算を、法令や規格の一次資料から作って無料で公開しています。
- ホーム画面:スマホで繰り返し使うなら、ブラウザの共有ボタン→「ホーム画面に追加」で 1 タップで開けます(アプリの入れ物は要りません・入力は送信しません)。
仕組み・早見表・よくある質問(2026/09/14 確認)
解雇予告手当の仕組み(労働基準法20条)
- 解雇は少なくとも30日前に予告する。予告しないときは30日分以上の平均賃金を払う(20条1項)。予告と手当は併用でき、1日分払うごとに予告を1日短縮できる(2項)=「予告日数+手当の日数=30日」。
- 予告日数の数え方:予告した日は入れず、翌日から解雇日までを数える(民法140条)。3月20日に通告して3月31日解雇なら11日=手当は19日分(千葉労働局の計算例)。5月1日に通告すれば5月31日解雇で手当なし。
- いつまでに払うか:即日解雇なら解雇を申し渡すと同時に(昭23.3.17基発464号)。予告と併用なら遅くとも解雇日までに。払わずに即日解雇した場合、使用者が即時解雇に固執しない限り、解雇の効力は「30日経過」か「手当を払った時」に生じる扱い(最高裁 昭35.3.11 細谷服装事件)。裁判所は労働者の請求で未払額と同額の付加金を命じることがある(114条。請求は違反から3年以内=附則143条。判決前に手当を払い終えていれば付加金は命じられない=同判決)。
- 予告も手当も要らない場合:①天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能 ②労働者の責めに帰すべき事由による解雇 = いずれも労働基準監督署長の除外認定が必要(20条1項ただし書・3項、則7条)。認定なしで払わないのは違反。
- 適用されない人(21条):日々雇い入れられる人(1か月を超えて引き続き使用されたら適用)/2か月以内の期間雇用・季節的業務の4か月以内の期間雇用(所定の期間を超えて引き続き使用されたら適用)/試用期間中で雇入れから14日以内(14日を超えたら適用)。「超えて引き続き使用されるに至った」かは解雇日の時点で見ます(通告が14日以内でも、解雇日が15日目以降なら予告か手当が必要)。日数は雇入れ日を1日目として数えています(4/1雇入れなら4/14まで)。
- 解雇の予告をされた日から退職の日までの間に本人が求めたら、解雇理由の証明書を遅滞なく交付(22条2項)。
平均賃金(12条)の決め方
- 算定事由発生日=解雇を通告した日。その日は入れず、前日を起算日に3か月遡り、応当日の翌日から前日までの賃金総額÷その期間の暦日数(民法143条。例:3/1通告→前日2/28の3か月前の応当日11/28の翌日=11/29〜2/28)。
- 賃金締切日があれば、通告日の直前の締切日から遡る3か月(締切日当日を含む)。通告日が締切日そのものなら1つ前の締切日から(昭24.7.13基収2044号)。例:締切15日・3月20日通告→12月16日〜3月15日(90日)。
- 最低保障:日給・時給・出来高の賃金は「総額÷労働した日数×60%」を下回れない(1項1号)。月給部分があれば月給部分÷暦日数を足す(2号)。
- 雇入れ後3か月未満:雇入れ後の期間だけで計算(6項)。締切日があっても、直前の締切日から起算すると一賃金締切期間に満たないときは通告日の前日までを期間にします(千葉労働局の解説・昭27.5.10基収6054号)。雇入れの日に通告した場合は労働局長の定め(則4条)。
- 除く期間:業務上のけがの休業・産前産後休業・会社都合の休業・育児介護休業・試用期間(3項)。ただし試用期間中に通告したときは試用期間も算入(則3条)。
- 端数:平均賃金は銭未満(小数第3位以下)切捨て、手当を払うときに円未満を四捨五入(千葉労働局・特約があれば別)。例:9,959.11円×19日=189,223.09→189,223円。
早見表:通告日から解雇日までの日数と手当の日数
| 解雇日 | 予告の日数 | 手当 | 平均賃金 1万円なら |
|---|
「即日」=通告日と同じ日に解雇。予告日数は通告日を入れずに翌日から数えます。この表はツールと同じ計算から機械で作っています。
所得税・住民税
- 解雇予告手当は退職手当等(退職所得)として課税(所得税基本通達30-5)。給与ではないので月額表・賞与の税額表は使わない。
- 本人から「退職所得の受給に関する申告書」を受け取れば、退職所得控除(勤続20年以下=40万円×勤続年数・最低80万円)を引いて1/2にした額で計算=手当だけなら通常税額0円。申告書が無ければ20.42%を源泉徴収(本人が確定申告で精算)。同時に退職金を払うときは合算して計算(退職金の税金・手取り)。
- 退職所得の源泉徴収票(退職後1か月以内)。雇用保険・社会保険の対象にはならない(賃金ではない)。
よくある質問
- Q. 20日前に予告しました。手当はいくら?
- A. 30日−20日=10日分の平均賃金です。予告日数は「予告した日の翌日から解雇日まで」で数えます。
- Q. 手当を払えば今日クビにできますか?
- A. 30日分を払えば予告の要件は満たしますが、解雇自体に客観的に合理的な理由と社会的相当性がなければ無効です(労働契約法16条)。業務上のけがの休業中や産休中(+その後30日)は解雇できません(労基法19条)。
- Q. 入社2週間の試用期間の人を解雇します。
- A. 解雇日が雇入れ日を1日目として14日以内なら予告も手当も不要(21条4号)。解雇日が15日目以降なら通常どおり必要です(通告が14日以内でも、解雇日で見ます)。
- Q. パート・アルバイト(時給)の平均賃金は?
- A. 3か月の賃金総額÷暦日数が原則ですが、それが「総額÷労働した日数×60%」を下回るときは60%の方(最低保障)。ツールに労働日数を入れれば自動で高い方を採ります。
- Q. 入社3か月未満の人は?
- A. 雇入れ後の期間の賃金総額÷その日数で計算します(12条6項)。
- Q. 端数はどうしますか?
- A. 平均賃金は銭未満切捨て(9,959.111…→9,959.11円)、手当の額は円未満四捨五入(189,223.09→189,223円)。労働局の公式解説どおりです。
- Q. 手当から所得税は引きますか?
- A. 退職所得です。申告書を受け取れば退職所得控除(最低80万円)の範囲内で税額0円が普通。申告書が無ければ20.42%を源泉徴収します。
根拠と確認
- 労働基準法12条(平均賃金・最低保障・締切日・控除期間・雇入れ3か月未満)・19条(解雇制限)・20条(解雇の予告・30日分・短縮)・21条(適用除外と「引き続き使用」)・22条(解雇理由証明書)・114条(付加金)・附則143条(付加金の3年):e-Gov 法令APIで現行を取得。締切日なしの月末の期間(応当日の翌日から)は民法143条2項の逆算による当サイトの読み方で、行政通達の実例は未確認です。
- 労働基準法施行規則3条(試用期間中の発生は算入)・4条(控除期間が3か月以上・雇入れの日の発生)・7条(除外認定の様式)。
- 千葉労働局「平均賃金(労働基準法第12条)」:算定事由発生日=解雇の通告をした日、直前の締切日から起算(当日を含む)、端数(銭未満切捨て・円未満四捨五入)、計算例(3/20通告・3/31解雇・締切15日・時給・賃金896,320円・労働58日→平均賃金9,959.11円・19日分189,223円)=このツールの結果と一致。
- 昭24.7.13基収2044号(通告日が締切日なら前の締切日から)、昭27.5.10基収6054号(一賃金締切期間に満たないときは事由発生日から)、昭23.3.17基発464号(予告手当は解雇の申渡しと同時に)、所得税基本通達30-5(解雇予告手当は退職手当等)・所得税法施行令69条(勤続期間は雇入れ日から退職日まで・1年未満切上げ)、最高裁 昭35.3.11(細谷服装事件・予告手当を払わない即日解雇の効力と付加金)、労基法附則143条(付加金の請求期限は当分の間3年)。
- 平均賃金の計算は平均賃金・休業手当、所得税の計算は退職金の税金と同じエンジンを共用(数字が食い違わない)。
法令確認日 2026/09/14。改正があれば更新履歴に記録します。