送電線・充電電路との離隔距離と接近限界距離
送電線・配電線の電圧を入れると、低圧・高圧・特別高圧の区分と、移動式クレーン・くい打機などの機体やワイヤロープを送電線からどれだけ離すか(離隔距離)を出します(低圧 1m・高圧 1.2m・特別高圧 2m、60,000V 以上は 10,000V ごとに 20cm 増し=基発第759号)。電気工事の活線近接作業では、高圧の頭上 30cm・躯側 60cm、特別高圧の接近限界距離(22kV 以下 20cm〜220kV 超 200cm)も出します。
クレーン等の離隔距離は法令の条文ではなく、労働省(当時)の通達(基発第759号)で指導する数値です。電力会社は工事の相談でもっと大きい目標値(例:6,600V で 2m)を示すことがあり、送電線の所有者との事前の打合せが求められています。安衛則349条の措置(移設・囲い・絶縁用防護具・監視人)はこの距離とは別に必要です。
この道具の作り方と見張り
- 根拠:労働安全衛生規則、電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov の条文 2 本)と、メーカー・団体の資料 1 本を毎日自動で照合しています。条文や数値が変わると運営者に通知が届き、道具を直してから更新履歴に載せます。
- 計算:このページの中の JavaScript が、上の根拠の欄に書いた手順どおりに計算します。入力した数字はどこにも送られません。
- 確認:公開前に自動テストと実ブラウザの点検を通しています。公開 2026/10/06・最終更新 2026/10/06。
- 運営:株式会社信大。総務・経理・労務・現場の実務で使う計算を、法令や規格の一次資料から作って無料で公開しています。
- ホーム画面:スマホで繰り返し使うなら、ブラウザの共有ボタン→「ホーム画面に追加」で 1 タップで開けます(アプリの入れ物は要りません・入力は送信しません)。
離隔距離・接近限界距離の早見表(2026/10/06 確認)
早見表:電圧ごとの区分とクレーン等の離隔距離
| 電圧 | 区分 | 離隔距離(基発759号) | 電力会社の目標値(参考) |
|---|---|---|---|
| 100 V | 低圧 | 1.0 m | 2 m |
| 200 V | 低圧 | 1.0 m | 2 m |
| 6,600 V | 高圧 | 1.2 m | 2 m |
| 22,000 V | 特別高圧 | 2.0 m | 3 m |
| 66,000 V | 特別高圧 | 2.2 m | 4 m |
| 154,000 V | 特別高圧 | 4.0 m | 5 m |
| 275,000 V | 特別高圧 | 6.4 m | 7 m |
| 500,000 V | 特別高圧 | 10.8 m | 11 m |
区分は交流の値(低圧=600V 以下・高圧=7,000V 以下・特別高圧=7,000V 超。直流は 750V 以下が低圧)。離隔距離は機体・ワイヤロープ等と充電部分との距離です。「電力会社の目標値」は青森労働局の資料に参考として載っている値で、法令・通達の数値ではありません。
早見表:特別高圧の接近限界距離(安衛則344条)
| 充電電路の使用電圧 | 接近限界距離 |
|---|---|
| 22 kV 以下 | 20 cm |
| 22 kV を超え 33 kV 以下 | 30 cm |
| 33 kV を超え 66 kV 以下 | 50 cm |
| 66 kV を超え 77 kV 以下 | 60 cm |
| 77 kV を超え 110 kV 以下 | 90 cm |
| 110 kV を超え 154 kV 以下 | 120 cm |
| 154 kV を超え 187 kV 以下 | 140 cm |
| 187 kV を超え 220 kV 以下 | 160 cm |
| 220 kV を超える | 200 cm |
特別高圧の活線作業(344条)と活線近接作業(345条)で身体等が保つ距離。高圧の活線近接作業(342条)は、頭上 30 cm 以内・躯側又は足下 60 cm 以内に近づくおそれがあれば絶縁用防具を装着します。
計算のしかた
- 特別高圧で 60,000V 以上の離隔距離=2m + 0.2m ×((電圧 − 60,000V)÷ 10,000V を切り上げた数)。例:66,000V → 2.2m、154,000V → 4.0m、500,000V → 10.8m。
- クレーン等を使う時は、離隔距離を保つだけでなく、安衛則349条の措置(充電電路の移設・囲い・絶縁用防護具、著しく困難なら監視人)のいずれかが必要です。
よくある質問
- 6,600V の配電線からクレーンのブームをどれだけ離す? 通達の離隔距離は 1.2m です。電力会社の目標値は 2m とされることがあります。
- 家の前の 100V・200V の電線は? 低圧なので 1m です。低圧でも感電の危険はあるので、349条の措置は必要です。
- 66kV の送電線は? 2.2m(2m + 20cm)です。154kV なら 4.0m です。
根拠と確認
- 労働安全衛生規則 342条・344条・345条・349条(e-Gov 現行・改正を毎週見張っています)。
- 電気設備に関する技術基準を定める省令 2条(電圧の種別)。
- 移動式クレーン等の送配電線類への接触による感電災害の防止対策について(昭和50年12月17日 基発第759号・安全衛生情報センター)。
- 早見表と計算ツールの値が同じであることを自動テストで確かめています。
確認日 2026/10/06。改正があれば更新履歴に記録します。